2年ほど前、東洋経済で日本のLOHAS市場の特集があったのですが、その中でパタゴニアの創始者イヴォン・シュイナードのインタビュー記事があった。
記者:
日本でもLOHASという言葉流行していることを知っていますか?
イヴォン:
アメリカではさほど知られていないと思う。よく分からない。
記者:
わからない?あなたの会社を米メディアはLOHASと定義づけている
ことが多いですよ。LOHASとは距離を保っているのですか?
イヴォン:
パタゴニアはロハスとは関係ない。
私たちは以前から時流と関係なく環境保全に取り組んでる。
ロハスは単なるマーケティング用語だ。
さすが、イヴォン。
埋め立て地上のマンションをLOHASと言ってしまった坂本教授とはちょっと違う。
ブランドの個性とは、究極的には創業者・経営者の個人的な「好き嫌い」という人間的な生理に起因していて、多数決的決定では生まれないものだと常々思う。
LOHASという言葉が意味するイメージ世界は、人間の生理が発する灰汁(アク)のようなものが感じられず、総花的なさわやかな甘い香りを発している。
特定の個人・企業・地域との関係が薄く、その分広く使いやすいキーワードとなったのだろうが、その汎用性の高さゆえに、肌触りのある実態世界とのつながりも薄くなったのかもしれない。
いずれにせよ、LOHASの次に出てくるマーケティング用語はどんな脳内イメージをわかせるものなのだろう。 そこには興味がある。